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 長期的な計画に基づいて狙いを定めた環境設定ができる園内の環境とは違い、園庭は、雨の日もあれば、晴れの日もあり、また季節によっても咲く花、植物の様相など、日々環境が変化します。だからこそ、子どもたちは自然環境を「先生」に、ダイナミックで豊かな遊びを繰り広げ、大きく成長します。

 幼稚園の園庭には、子どもたちが五感を使って「実体験」できる要素がたくさんあります。

 ただし、そのような環境がそこにあるだけでは、子どもの心と体は育ちません。保育者が安全管理をすることは当然ながら、子どもたちの遊びの状況を把握し、さらに豊かな遊びへと広がるような仕掛け(あるいは仕掛けないこと)、言葉がけ(あるいは言葉がけをしないこと)もしています。

 園を訪れた際は、そのような園庭の環境にも注目してくださいね。

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 「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」という作家の言葉が残っているぐらい、大切な遊び場です。科学的な見方、友達との協同作業…幼稚園では、先生がさせるのではなく、子どもたちの試行錯誤や工夫を促すように、気づきを持たせる言葉がけをします。

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 園庭にあるビオトープ。子どもたちは水草をじっと見つめて中に空洞があることを発見したり、カエルやアメンボをつかまえたり。季節によって変化を見せる水辺の生態系。子どもたちが興味や関心を寄せたときに、図鑑や絵本が手に入る環境を用意しています。

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 「一本橋を渡りま~す。グラグラ揺れるけど、平気だよ」。 「こんなに高くまで登れるんだよ!すごいでしょ?」。 遊具から木に伝わって、木登りをする子どももいます。

 園庭に設置されている、大型冒険遊具で遊んでいるところ。空中トランポリン(1,5mの所)やクライミングウォール、Ⅴ字ブリッジ。冒険心や挑戦力をかきたて、遊んだ後には、充実感や満足感を味わいます。それが次の遊びへのステップとなり、運動能力もアップします。怖くて挑戦できなくても、友達の遊んでいるところを見ているうちに、勇気がわいてくることもあります。ここでの決め事、「大人は手や口を出さず、じっと、見守りましょう」、「自分の安全は、自分で守りましょう」です。子どもの「やってみたい」「できた~」という気持ちを大切にしています。

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 「ジャンケンポン!あいこでしょ!」。「わあ~い、勝ったよ、どいて!」「次は私の番ね~」。年長児が始めた遊びを見て、年少児も真似をします。園庭にある物を利用して、異年齢で遊んでいます。

 これも廃材で作った平均台です。竹馬の台になったり、両端から向かい合ってやってきて、ぶつかったらジャンケンをし、負けた人が降りる、というゲームを、子どもたち同士でやっています。そこには先生がいなくても、自ら遊ぶ姿があります。このように、子どもが自ら遊び込める環境づくりが大切なのです。

 丸太や木の箱は、廃材を他からもらってきたもので、常に園庭に転がっています。写真は、子どもたちが自らここに運んできておうちを作り、砂も使ってままごと遊びが生まれた様子です。

 一見、無造作に置かれた廃材。角材や丸太、均一ではない、さまざまな形の廃材は、子どもたちにとって魅力的な「遊具」です。座ったり持ち上げたり、平均台のように、上を歩いたり、子どもたちは自由に創造性豊かな遊びを生み出します。保育者は、いつどこにどのような自然物を配置するか、用意するか、また用意しないかを、子どもたちの様子を見て考えます。

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 「どろんこ大好き!うれしいなあ~」。裸足になったり、 ドボンと浸かったり…。 「気持ちいいよ~」。

 雨上がりにできた、園庭の水たまりで自然に遊ぶ子どもたち。砂場があるのに、子どもたちはあえてここで遊びます。その遊びを尊重するために、危険がない限りは、園庭のどこに穴を掘っても良いことにしています。

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 片手を放してバランスをとる遊び、これは子どもが自身で生み出した「遊び」です。遊具をくぐる行動も、うんていも、集団生活の中で「自分もできるようになりたい」「自分はもっとこんなことができる」といった気持ちが原動力となります。そして、こんな楽しい遊びをとおして、高い身体能力が育まれていくのです。繰り返し練習しているうちに、いつしかできるようになり、それが自信につながります。

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 園庭には多種多様な植物が植えられています。そこには虫や小鳥も集まります。それは子どもたちが身近にある植物の移り変わり、生き物の生態から、季節の変化を感じ、生物学的・科学的な興味・関心が自然と子どもたちの心にわき上がります。そして見て触れて、匂いをかいで、味わって、五感を働かせながら「実体験」することが、今後の学びにつながっていくのです。

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